【1歳半・川崎病入院記録】突発性発疹だと思ったら、川崎病でした ①初期症状~検査~入院まで
こんにちは、ゆゆまい(@yuyumai2022)です。
先日1歳6か月の娘が「川崎病」で入院しました。
「川崎病」という病気、聞き覚えのない親御さんも多いと思いのではないでしょうか?実際は乳幼児の約70人に1人と、少なくない割合で発症しています。発症の原因は分かっておらず、医師でもなかなか診断が難しい病気のようです。
この病気の初期症状は突発性発疹と似ていました。その後たまたま川崎病の特徴が見られたため、事前に川崎病を知るに至りましたが、そうでなかったらかかりつけ医を受診するまで知ることはなかったと思います。
川崎病は、診断されたら即、1~2週間入院し、血液製剤の投与が必要です。娘の場合もかかりつけ医の受診から入院まではわずか5時間で、本当にあっという間でした。
そんな川崎病を、多くの親御さんに知ってもらいたいと思い、娘の状況を本記事にまとめましたので、ぜひご一読ください。
▼入院から退院までの経過は、こちらの記事をご覧ください
川崎病とは?
川崎病は原因不明の病気です。
4歳以下の乳幼児に多く、全身の血管に炎症がおきていろいろな症状が出ます。
川崎病にかかって一番問題なのは、心臓を栄養する血管である冠動脈に動脈瘤(こぶ)を形成することです。川崎病にかかったお子さんの約3%になんらかの瘤ができてしまいます。
冠動脈に瘤ができると、将来的に血管が狭くなったり、血のかたまり(血栓)で冠動脈が詰まったりして、狭心症や心筋梗塞を起こす危険性が高まります。
川崎病の症状と診断基準
下記の6つの症状のうち5つ以上当てはまれば、川崎病と診断します。
① 高熱
② 両側の眼球結膜(目の白いところ)の充血
③ 真っ赤な唇と苺のようにブツブツの舌
④ 体の発赤疹
⑤ 手足の腫れ
⑥ 首のリンパ節の腫れ
また小さなお子さんでは、BCGを注射した場所が紅く腫れ上がることも、特徴的な症状の1つです。
川崎病の原因
細菌の感染、ウイルスの感染、なんらかの環境物質による刺激などがいわれていますが、今のところその原因は特定されていません。ただ、川崎病にかかる率は日本人など東アジア系の人種で多くなっています。
川崎病の治療
川崎病の治療はガイドラインがあり、基本的にガイドラインに沿って治療が進められます。まず免疫グロブリンと呼ばれる血液製剤を点滴で投与し、血液を固まりにくくするアスピリンというお薬を内服します。
多くの患者さんはこの治療後2日以内に熱が下がり、治療が有効だった患者さんは冠動脈に瘤をつくることは多くありません。
免疫グロブリン治療後も高熱が続くような場合には、追加の治療を行います。免疫グロブリン製剤を再投与したり、インフリキシマブやシクロスポリンという特別なお薬を使用したり、血漿交換という手技を行ったりします。
>>>参考文献:川崎病 | 国立成育医療研究センター
1歳6か月娘の初期症状~入院までの経過
1日目:発熱
夕方頃からぐずぐずが止まらない。
断乳して間もなかったため、断乳の影響だと思いましたが、娘に触れると少し熱い気が。熱を測ってみると38℃台でした。発熱と不機嫌以外、変わったところは見られませんでした。
2日目:BCG痕の発赤が出現
翌朝熱を測ると37℃台前半。ほっとするも、午後にまた発熱。一日中ぐずぐずの抱っこちゃんで母の腕も限界。
このぐずぐずの感じ、過去にも経験がありました。上の子が1歳後半で患った「突発性発疹」、別名「不機嫌病」。今回も真っ先に突発性発疹を疑いました。ですから、この時は「解熱後に発疹がでるのかね~」と呑気に思っていました。
ただ同時に気になる症状も見つけました。BCGの接種部分が赤くなっていました。BCGの接種から1年程経過しているため、コッホ現象はあり得ません。
「BCG接種部位 赤い」とググると、「川崎病に特異的な症状」「川崎病以外でも赤くなることがある」などというヒット。まさかね、と思いながらも、川崎病を頭にインプットしました。
3日目:全身に発疹が出現
この日の朝の体温は37℃台。おなか、背中、太ももにポツポツ発疹がでてきました。解熱後に発疹、ということはやっぱり突発性発疹だったんだ、と確信しました。
しかし夕方からまた発熱。この時に「なんだかおかしいな」と思い始めました。
4日目:川崎病を強く疑う
相変わらず体温は37℃~38℃後半を行ったり来たり。
ぐずぐずはピークに。なぜか服を脱ぎたがります。着せてもオムツまで脱ぐので、結局1日中素っ裸でおもらしし放題。大変な1日でした。
この日は日曜日でかかりつけ医は休診だったため、翌日入院覚悟で受診することを決めました。
5日目:背中の発疹が拡大、目の周りに赤み出現
熱は38℃台。背中の発疹が広がっています。目の周りも赤くなってきました。
この日にかかりつけ医を受診しました。その後総合病院の受診・入院と、トントン拍子で進んでいきます。
かかりつけ医の受診
9時に順番予約し、10時半に受診。
診てもらったところ、川崎病の診断基準は①発熱 ④体の発赤疹 以外満たしていませんでした。が、BCGの発赤があるため、川崎病の可能性が高いとの診断。総合病院の受診を勧められました。
総合病院の受診には、インフルとコロナに感染していないことを証明する必要があります。かかりつけ医でこれらの検査をして、一旦帰宅。
約30分後に電話があり、「両方陰性だった」とのこと。受診先の総合病院の候補を決め、かかりつけ医が予約を取ってくれることに。
さらに30分後にまた電話があり、「第2希望の病院に決まったので今すぐ行くように」とのこと。第1希望は満床でした。
すぐに娘を連れてタクシーに乗り、かかりつけ医に寄って紹介状を受け取り、総合病院へ向かいました。
総合病院の受診
12時ごろ到着。受付で紹介状を渡し、小児科へ。
下記の流れで進んでいきました。
小児科処置室:身長・体重測定、発疹の撮影
今どきは病変をスマホで撮影。時代を感じます。
小児科診察室:医師の診察
優しい女性の先生に、丁寧に娘の病変を見ていただきました。
川崎病診断基準のうち
① 高熱 ② 目の充血 ③ 真っ赤な唇 ④ 体の発赤疹 ⑤ 手足の赤み
があり、6つの主要症状のうち5つを満たしているとのこと。
私から見ても、かかりつけ医を受診した時から症状が悪化していると実感しました。
ほぼ川崎病で間違いないが、他の感染症を否定するために、血液検査などの検査を進めることに。
小児科処置室:血液検査、点滴ルート確保、睡眠薬服用
母は検査室の外に出て、娘の泣き叫ぶ声を聞きながら約20分待機。左腕をタオルでぐるぐる巻きにされた娘が出てきました。
次に行う心エコー、心電図の検査は動くと測定できないため、睡眠薬を飲ませたと事後報告がありました。
検査室①:心エコー、心電図検査
小児科を出て検査棟へ。娘は神経質なのかなかなか眠れず、寝かせるのに一苦労。病院のながーい廊下を行ったりきたりして寝かせました。
30分かけてしっかり寝かせ、やっと心エコーにたどり着くも、診察台に置いたらぐずぐず。途方に暮れる私 vs 睡眠薬に抗う娘。
結局診察台に私が座って壁に寄りかかり、その上に娘を仰向けにすることで、なんとか寝かせることに成功。30分以上その姿勢だったため私はとっても疲れました。
検査室②:胸部X線検査
部屋に入り娘を預け、「お母さん撮影するので部屋を出て行ってくださーい」の後10秒くらいであっさり撮影終了。心エコーが大変だった分、拍子抜けでした。
小児科診察室:再度医師の診察
小児科に戻ってきて、血液検査結果と治療方針の説明がありました。
血液検査結果について
検査結果を見ながら、
①炎症の度合いを示すCRPが高い。他の症状と合わせると、やはり川崎病で間違いないだろう。
②心臓への負担を示すBNPが高いが、川崎病ではよくある。今後さらに高くなることもよくある。
と説明を受けました。
治療方針について
川崎病の治療はどの病院で行ってもほぼ同じで、治療や検査のスケジュールを時間軸に沿って計画された「クリニカルパス」に沿って進めるとのことでした。
これらの説明後、入院案内と、入院中の担当医の挨拶があり、看護師に連れられて病棟へ向かい、16時ごろ入院となりました。
さいごに
本記事では川崎病がどのような病気なのか、1歳6か月の娘はどんな経過を辿ったかをご紹介しました。
川崎病はいざ診断されると1~2週間の即入院が必要となり、焦燥する親御さんが多いかと思います。私は事前に調べていたため、落ち着いて行動できたと思います。皆様にもぜひ事前に知っておいてほしいです!
入院後のお話は別記事で書こうと思いますので、ご期待ください。
▼入院から退院までの経過は、こちらの記事をご覧ください
余談ですが、
総合病院受診の際、小回りが利くようにベビーカーを持っていきませんでした。が、かなり後悔しました。ベビーカーは荷物運びにかなり有用です。娘に加え、貴重品のバッグ、マザーズリュック、私と娘のダウンコートを持って検査室などを移動するのは大変でした!
ベビーカーはこちらを使っています。コンパクトに畳めるので、タクシー移動の際も足元に置けます!